「こっくりさん」を知っていますか?
1970年頃から小中学生の間で流行した占いで、狐の霊を呼び出す降霊術とも言われています。
やり方は、10円玉と紙を使う、とても簡単でシンプルな遊びです。
しかし、実は思わぬ危険性をはらんでおり、やり方を間違えれば呪われてしまうとか・・・。
今回は、こっくりさんのやり方とルール、なぜ動くのか?仕組みや起源を解説していきます。
こっくりさんとは?
こっくりさんは、1970年代頃から流行した占いの一種です。
こっくりさんは、狐の霊を呼び出す降霊術と信じられており、「狐狗狸さん」とも書かれます。
この遊びは現在でも小学生や中学生の間で行われており、名前や遊び方が地域によって変わることもあります。
こっくりさんのやり方
必要なもの
- 白い紙(A4サイズ)
- ペン
- 十円玉
- 人が囲めるくらいの大きさのテーブルや台
紙の準備
白い紙に「はい」「いいえ」と書き、その間に鳥居を描きます。
その下に五十音表と、数字を書きます。
これで、紙の準備は完了です。
手順
必ず窓のある部屋で行いましょう。最初に少し窓を開けてから、始めます。
- 配置:2~3人で机を囲み、紙の鳥居の位置に十円玉を置きます。全員で人差し指を十円玉の上に置きます。
- 呼び出し: 「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」と話しかけます。すると十円玉が動き始めます。
- 質問:聞きたいことを質問すると、十円玉が動いて答えを示してくれます。
- 一つの質問が終わったら、「鳥居の位置までお戻りください」とお願いし、十円玉を鳥居の位置に戻します。
- 終了:質問が終わったら、最後に「こっくりさん、こっくりさん、どうぞお戻りください」とお願いします。すると、十円玉が「はい」に移動した後、鳥居まで戻って来ます。「ありがとうございました」とお礼を言って終了します。
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こっくりさんのルール
- 途中で十円玉から指を離さないようにする。
- 落ち着いて行う。
- 途中で止めてはいけない。
- こっくりさんが帰ってくれない場合は、落ち着いて再度お願いする。
最も重要なのが、十円玉から指を離さないことです。
が強調されています。ルールを破ると、不可解な現象や恐ろしい結果を招く可能性があるとされています
こっくりさんの紙の捨て方
こっくりさんで使用した紙の処分方法については、いくつかの方法が伝えられています。
- 48枚に細かくちぎって捨てる。
- 燃やす。
- ろうそくで燃やす。
- 単に燃えるゴミとして出す。
「48枚に細かくちぎって捨てる」のが一般的な方法です。
燃えるゴミとして捨てた場合も、結局は焼却処分されるため、問題ないとされています。
これらの処分方法は、各学校や地域ごとに口伝で継承されているものです。
また、使った10円玉は、3日以内に使ってください。
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こっくりさんを途中でやめるとどうなる?帰ってくれない場合
こっくりさんが帰ってくれない場合は、帰ってくれるまでお願いをするようにしてください。
いきなり中断したり、10円玉から手を離してはいけません。
ルールを無視すると、予想外の怪奇現象が起こる可能性があると言われています。
霊的存在の怒りを招く
こっくりさんの儀式を不適切に行うことで、呼び出された霊的存在を怒らせ、悪意ある行動を引き起こすという俗説があります。
憑依や異常現象
極端な場合、霊的存在に憑依されたり、説明のつかない異常現象が起こるという話もあります。
また、ルール違反により、参加者の精神状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これは、恐怖心や罪悪感から生じる心理的な反応かもしれませんが、注意が必要です。
「こっくりさん」は、タロットや占星術のように専門的な知識がなくても簡単にできる占いとして捉えられていますが、その実態はあくまで「降霊術」です。
簡単にできるからと、面白半分に行えばその報いを受けてしまいます。
危険な遊びであることを理解しておいてください。
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こっくりさんの仕組みは?なぜ10円玉が動く?
こっくりさんの仕組みについては、実は、科学的な説明があります。
オートマティスム
こっくりさんは、科学的には意識に関係なく体が動くオートマティスムの一種と考えられています
これは、参加者の無意識の微細な筋肉の動きが、10円玉の動きを引き起こすという説です。
心理的要因(集団心理)
参加者の期待や緊張が、無意識の動きを引き起こす可能性があります。
質問に対する答えを予想することで、無意識のうちに10円玉を動かしてしまうことがあります。
また、複数の参加者がいる場合、お互いの微細な動きが増幅され、より大きな動きとなることがあります。
潜在意識説
参加者の潜在意識(予期意向)が反映され、無自覚に指が硬貨を動かすという説。
参加者が潜在意識で思っている答えを、無意識的に引き出した、というものです。
抽象的で曖昧な答えを、自分で都合良く脚色して正しいように解釈したり、当たったときだけが記憶に残るため、何となく当たるように思えてしまうのです。
筋肉疲労説
硬貨に指を添える体勢を取り続ける際、どうしてもわずかに腕が動いてしまいます。
同じ姿勢を取り続けると、あっという間に筋肉が疲労するため、不覚筋動が起こります。
それらの力が集中し、コインが動くと、今度は動いた方向へ力を入れて動かそうとする意識が完全に働くというものです。
イデオモーター効果
特定の動きを想像することで、実際にその動きを無意識のうちに行ってしまう現象です。
これにより、参加者が予想する答えの方向に10円玉が動く可能性があります。
重要なのは、こっくりさんは心霊現象ではなく、科学的に説明可能な現象だということです。10円玉の動きは、参加者の無意識の動きや心理的要因によって引き起こされると考えられています。
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こっくりさんの起源
こっくり(狐狗狸)の名前の由来
「こっくり」という名称は、テーブルが「こっくりこっくり動く様子」を見て名付けられました。
こっくりさんは漢字で、「狐狗狸」と書かれることがあります。
しかし、これは当て字であり、起源とは直接関係ありません。
起源はテーブルターニング
こっくりさんの起源は、明治時代に日本に伝わった西洋の降霊術「テーブルターニング」が元になっています。
伊豆の下田で外国人船員が行っていたテーブルターニングを、日本人が真似て、全国の船着き場から広がっていったとされています。。
江戸時代中期頃から、キツネの神霊に伺いを立てることが大都市域の民衆の間に広まっており、明治期以降、海外の交霊術とも習合し、現在の形式が確立しました。
当初は安定しない机を3人で囲み、手を置いたりコメびつのフタを置いたりして行われていました。不安定なものを使うことが重要でした。
こっくりさんは、西洋の降霊術が日本に伝わり、日本の文化や習慣と融合して独自の発展を遂げた結果生まれた占いの一種だと言えます。
その起源や伝播の過程は、日本の近代化と西洋文化の影響を反映しています。
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こっくりさんは本当にいる?ガチ検証した人達
1853年に、プロイセン(ドイツ)の数学者カール・フリードリヒ・ガウスやイギリスの科学者マイケル・ファラデーが実験的検討を試み、「テーブルターニング」の現象の解明に取り組みました。
ファラデーは、霊の力でテーブルが動くのか、人の手が(無意識に)動かしているのか、つまり「先に動くのはテーブルか手か」を判別する装置を作りました。
そして、何百回と実験したところ、いつどんな条件で試みても、「先に動くのは手であってテーブルではない」との結果でした。
また実験中に「手が動いていますよ」と指摘すると、途端に動かなくなることも観察されました。
日本では明治20年、東洋大学の創立者である井上円了が、こっくりさんの起源や仕組みについて詳細な研究を行い、科学的な解明を試みています。
井上円了は数多くの実験を行い、年齢、性別、性格などを考慮し、更に人の組み合わせを変えて「なぜ動くのか」を追求し続けました。
その結果、感受性が強く、信じやすい人の時に、フタが動きやすいことを発見します。
つまり、あらかじめ心の中にある答えを予想してしまう「予期意向」と、無意識に筋肉が動く「不覚筋動」が結びつき、フタを動かしてしまう、ということです。
井上円了はこの結果を『妖怪玄談』という本にまとめて刊行し、「妖怪博士」として全国に知られるようになりました。
現在でも、こっくりさんをやっている人の視線を機械で調べると、まず先に視線が(紙の上の)答えの文字を追い、その後十円玉が動き出すことが、確認されています。
海外版こっくりさん⇒チャーリーゲームとは?呪われるって本当?やり方とルール