アンパンマン初期の怖い話:顔が全部なくなる?初代死亡説を調査

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幼稚園の時、図書館で初めて『あんぱんまん』の絵本を読んだ時の衝撃は、今でも忘れることができません・・・。

というのも、テレビで見るアニメのアンパンマンとは、かなり違っていたからです。

「食べなさい」と顔を差し出すアンパンマン・・・。
顔がなくなり、マントだけで空を飛んで帰っていくアンパンマン・・・。

初期のアンパンマンには、様々な怖い設定がありました。

今回は、初期のアンパンマンにまつわる怖い話や都市伝説、裏設定をご紹介します。

目次

初期アンパンマンの怖い話6選

実は、私達が知っている現在のアンパンマンは三代目なのをご存知でしたか?

三代目ってどういうこと?

原作者のやなせたかし先生は、「アンパンマン」という名前のキャラクターが登場する、短編をいくつか描かれています。

初期アンパンマン作品をまとめると、

歴代アンパンマン
  • 初代アンパンマン:『十二の真珠』(1970年)
  • 二代目アンパンマン:『アリスのさくらんぼ』(1973年)
  • 三代目アンパンマン:『あんぱんまん』(1973年)
    『だれも知らないアンパンマン』(1976年~82年)

かなりたくさんあるんですね。

現代のアンパンマンの原型が確立されたのは、絵本『あんぱんまん』から。

なので、今アニメで放送されているアンパンマンは、三代目にあたるのです。

初代や二代目はどんな姿をしていたのでしょうか?

その前に、3代目アンパンマンの原型をちょっと見てみましょう。

アンパンマンは「首なしヒーロー」だった

アンパンマンの最初の絵本は、1973年刊行の『あんぱんまん』
月刊絵本「キンダーおはなしえほん」10月号に掲載されました。

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まずビジュアルが現在の3頭身ではなく、8頭身のスラリとしたスタイルです。

そして手の指が人間と同じで、5本あります。今のように丸い手ではなかったんですね。

絵本はどんな内容だったのかというと、

広い砂漠の真ん中で、お腹をすかせて今にも死にそうになっている旅人の前に、アンパンマンが現れます。

そして、

「さあ、ぼくのかおをたべなさい」

と、顔をじかにかじらせるのです。

「そんなおそろしいことはできません」と断る旅人。

意外と冷静です。

しかし、「ぼくのかおはとびきりおいしい。さあ、はやく!」とせきたてるアンパンマン。

旅人は、「ごめんなさい、では、ちょっとだけ」とアンパンマンの顔を食べ始めます。

一度は断っていた割に、容赦なく食べる旅人。

アンパンマンの顔の半分がなくなってしまいます。

怖い・・・!!

もうこの時点でめちゃくちゃ怖い・・・!!

さらに、やさしいアンパンマンは、森で迷子になっていた男の子に、残った顔を食べさせてあげます。

今のアニメでは、
顔の一部をポンッ!とちぎってあげるので、
何人か、お腹をすかせた人にアンパンをあげても、
アンパンマンの顔が全部なくなってしまうことはありませんよね。

しかし、この頃は顔をじかに食べさせるスタイル、

顔が全部なくなります。

なので、最後は「首なし」の状態で帰っていくのです。

怖い・・・!!

この頃のアンパンマンは、顔を丸ごと食べられても、飛べます
今の顔が汚れたり、濡れただけで飛べなくなってしまう設定ではありません。

首無しで空を飛んでいくアンパンマンの絵は、かなり怖いですね・・・。

そして、アンパンマンは、「ぱんこうばのおじさん」の元へ帰ります。

今のパン工場のジャムおじさんですね。

「ぱんつくりのおじさん」は新しい顔を焼き上げ、あんぱんまんに乗せます。

この辺りの設定は、今に通ずるものがあるのですが、
首なし(顔なし)の状態で、パンを作る台に座って、新しい顔を待っているアンパンマン・・・。

やはり怖いです・・・・・・。

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アンパンマンの顔が全部食べられてしまう

他の絵本でも、初期アンパンマンの顔のかじられ方は、かなり怖いです。

時には顔を全部あげてしまい、首無しの状態で空を飛んだりしています。

このような描写があったため、刊行当初、アンパンマンは酷評されていました。

幼稚園の先生からは「顔を食べさせるなんて残酷だ」と苦情が来て、絵本の評論家からは「こんなくだらない本は図書館に置くべきではない」と批判を受けたそうです。

さらに、担当編集者からは「やなせさん、もう、こんな本はこれっきりにしてくださいね」と言われ、やなせ先生もすっかり自信を失い、これはもうダメだと思ったといいます。

しかし、実は、『あんぱんまん』の絵本は子供達には大人気だったのです。

幼稚園では子供達が取り合いをし、図書館でもずっと貸し出し中。

テレビ局のディレクターが自分の子供が通う幼稚園に行ったとき、ボロボロになっていたアンパンマンの絵本を見つけ、絵本の刊行から15年後、アニメ化に至ります。

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初代アンパンマンは普通の人間のおじさん

ネット上にある、「初代アンパンマンは、普通の人間のおじさんだった!?」という説。

・・・実はこれ、都市伝説ではなくて、実話です。

やなせ先生が初めて『アンパンマン』を描いたのは、1970年刊行の『十二の真珠』

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アンパンマンが空腹にあえぐ人のところへ駆け付けて、自らの大事な持ち物であるパンを差し出して食べるようすすめる・・・というお話です。

のちに描かれるアンパンマンとの大きな違いは、

  • 主人公のアンパンマンが普通の人間のおじさん
  • パンはただの所有物

という点。

まるまると太ったおじさんが頭巾とマントをつけている、なんともシュールな絵面です・・・。

顔をちぎってあげるのではなく、
普通にお腹からパンを取り出して子供にあげます。

しかも、パンをあげようとした子供に「いらない」と断られてしまう始末。

「いらないよ。ぼくはおなかがいっぱいだし、それにアンパンより、ソフト・クリームのほうがいい。ソフト・クリームかキャンディーはないの?」

「私はアンパンだけしかもってない。さあ、もういかなくちゃ」

引用元:『十二の真珠』

そして、ヨタヨタと飛んでいくアンパンマンを見て、少年は頭をふって「あんなのダメだなあ」とつぶやくのでした。

さらに、他の漫画のヒーローたちからは「ニセモノ」と指さされ、みんなにいっせいに「ニセモノおっこちろ!」と罵声を浴びせられるのです。

このように、元祖アンパンマンは正義のヒーローというよりはどこかかわいそうなおじさんとして描かれています。

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初代アンパンマン死亡説

そして、初代アンパンマンの物語は、衝撃の結末を迎えます。

戦争が続いている国では、お腹を空かせた子供達が何も食べるものがなく、死にそうになっていました。

アンパンマンは子供達にパンを届けようと、上空から焼きたてのパンを投げ落としていきます。

・・・しかし。

戦争中に飛行物体が、何かを投下してゆく・・・。

その様に、アンパンマンは敵機の襲撃と間違えられ、高射砲にて爆撃されてしまいます。

これが、「初代アンパンマンの死亡説」の元になったようですね。

おそらく、やなせ先生ご自身の戦争体験や、戦士した弟さんへの思いが影響しているのだと思われますが、なかなか、ショッキングな内容です。

絵本のラストは、

アンパンマンはどうなったか、それはわかりません。しかし、決して死にはしないでしょう。世界じゅうのおなかのすいた子どもたちのために、アンパンマンは今もとびつづけているのです.

 それゆけアンパンマン
 ころされたって死ぬものか
 おなかをすかして泣いている
 ひもじい子どもの友だちだ
 正義の味方アンパンマン

引用元:『十二の真珠』

と締めくくられています。

スーパーヒーローが死ぬことはない、と信じたいですね・・・。

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二代目アンパンマンから顔を直にかじらせる

二代目アンパンマンの登場は、1973年に刊行された短編集『アリスのさくらんぼ』に収録された、『飛べ!アンパンマン』

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この作品では、やなせ先生自身がモデルである、売れない漫画家ヤルセナカスが登場します。

飢えたヤルセの元に、アンパンマンが現れて、自分の顔を食べさせてくれるという物語です。

アンパンマンとやなせ先生の出会いが描かれています。

ヤルセとアンパンマンの最初の出会いは、ヤルセが子供の頃。
野原でかくれんぼしてた時に、ヤルセは足をすべらせて、古い井戸の中へ落ちてしまいます。

体中痛くて、お腹が空いて死にそうになっていたヤルセの前に、アンパンマンが現れます。

「さあ、おれのほっぺたをすこしかじれよ」
アンパンマンはそういってそのおいしそうな顔をぼくのほうへよせてきた。

引用元:『飛べ!アンパンマン』

やはり顔を直に食べさせるスタイルです。

ラストは、

しかし、おぼえておいてほしいんだ。
世界中でたったひとりぼくだけは熱烈な君のファンだよ。
たとえ誰もよろこばなくても、編集者は反対しても、ぼくは君の物語をかきつづけるよ。

引用元:『飛べ!アンパンマン』

と、やなせ先生が『アンパンマン』を描き続けることを決意する、感動的なストーリーなんですが、
挿絵には、アンパンマンが顔の半分欠けた状態で飛んでいく姿が・・・。

挿絵だけ見ると、少し怖いかもしれません。

しかし、こうした設定には、やなせ先生の戦争体験が反映されています。

やなせ先生は一兵士として中国で終戦を迎え、翌年、帰国したとき、《人間は食べなくては生きられないということと、正義は簡単に逆転するということ》を強く感じたといいます。

しかしやなせ先生は、逆転しない正義が一つだけあると考えました。

それは、どんな立場でも、ひもじい人を助けるということでした。

だからこそ、アンパンマンはけっして逆転しない正義の味方として、たとえ傷ついたりエネルギーが消耗しても、自分の顔を食べさせるのです。

顔を食べさせるって、確かに一見怖そうですが、実は深い意味があったんですね。

自己犠牲の象徴だったんです。

アンパンマンの物語、奥が深いですね。

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チーズは初登場時ばいきんまんの手下だった

初期アンパンマンには、他にも面白い設定がいくつかあります。

実は、チーズは初登場時、ばいきんまんの手下でした。

1976年~1982年に、『月刊いちごえほん』で連載されていた漫画『アンパンマン』。

全71回の連載を収録した『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』に、チーズの初登場シーンとみられる物語が掲載されています。

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実は当時、アンパンマンには意外な弱点がありました。なんと、犬が苦手だったのです。

この秘密を、バイキンマンの仲間である「ふけつまん」が嗅ぎつけてしまいました。

そこでバイキンマンは、まさかの作戦を思いつきます。犬に乗ってパン工場に攻め込むというのです。その犬の名前が「チーズ」です。

チーズに乗ってやって来たバイキンマンを目にしたアンパンマンは、パン工場から一歩も出ようとしません。そこに居合わせたしょくぱんまんも、どうやら同じく犬が苦手なようです。

この窮地を救ったのが、バタコさんでした。
バタコさんは鋭い観察眼で、バイキンマンの乗っているチーズが、同名の食べ物であるチーズを好むことを見抜きます。そして、チーズ(食べ物)を使ってチーズ(犬)を見事に手懐けてしまいました。

その後、チーズはパン工場から離れようとしません。なんとチーズは、バタコさんに一目惚れしてしまったようです。

すっかり気を良くしたバタコさんは、ジャムおじさんにチーズを飼ってもいいか?願い出ます。
アンパンマンたちは即座に反対しましたが、ジャムおじさんは「今年は戌年だから…」という、ちょっと変わった理由でチーズの飼育を許可してしまいます。

こうして、チーズはパン工場の犬になりました。
最初は反対していたアンパンマンたちも、次第にチーズのことを気に入っていきます。

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